【前立腺肥大症】手術や治療(薬)が必要な前立腺肥大症の症状

 

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頻尿の原因・症状は様々ですが、今回は頻尿の原因の一つである『前立腺肥大症』についてお話していきたいと思います。

前立腺肥大症の症状と原因について

前立腺は男性にしかない臓器で年齢とともに肥大してきます。

前立腺肥大の原因は前立腺の内側の内腺と呼ばれる部分に、良性の腫瘍ができることで全体が大きくなります。

前立腺は膀胱の出口から尿道を包むように存在しているため、前立腺が肥大してしまうと尿道が圧迫され頻尿の症状がでます。

前立腺の肥大は中年以降の男性の約半分に見られ、その中でも頻尿の症状が出る方は2人に1人の割合となっています。

前立腺肥大は尿道の圧迫だけではなく、前立腺を緊張させ、尿道を締め付けたり、その結果、尿が出づらくなり膀胱に負荷をかけてしまうこともあります。

前立腺肥大症の頻尿は、尿の出始めが遅れる、トイレに時間がかかる、尿に勢いがない、尿のキレが悪いなどといった症状がみられます。

また、悪化すると尿がほとんどでない閉尿状態になってしまう恐れがあります。

その間にも腎臓ではどんどん尿が作られ、膀胱に蓄尿されていくため、非常につらい状態になります。

前立腺肥大症の症状(その2)

上記の前立腺肥大症の症状は、尿道の圧迫などにより、尿が出しにくい状態でした。

しかし、前立腺肥大症により、尿が出すぎるといった逆の症状がでるケースがあります。

尿が出しにくい状態になっていても、その間に腎臓ではどんどん尿が作られ、膀胱に蓄尿されていきます。

すると膀胱は異常に活動が高まり、膀胱に尿があまりたまっていない状態でも、トイレに行きたくなってしまう症状がでます。

このことを過活動膀胱と言い、排尿トラブルの一つになります。

前立腺肥大症の方がトイレに間に合わず尿を漏らしてしまいそうになる、トイレとトイレの間隔が短いといった症状が出ている場合には過活動膀胱を併発している恐れがあります。

過活動膀胱が悪化してしまうと尿漏れの原因となるため注意が必要です。

前立腺肥大症の治療とは

前立腺肥大症はαブロッカーという薬の服用により治療を進めていきます。

αブロッカーは尿道の筋肉を緩める働きがあるため、前立腺肥大により締め付けられ尿道を緩め、尿を通りやすくする効果があります。

初期の段階の前立腺肥大症は薬の服用により症状をある程度改善することができます。

過活動膀胱の症状もある場合は

先ほどもお伝えしたとおり、前立腺肥大症の症状により、膀胱が異常に活動力を高めてしまい、過活動膀胱になってしまうことがあります。

この場合、前立腺肥大症の治療薬であるαブロッカーと一緒に、過活動膀胱の治療薬、抗コリン薬を服用します。

抗コリン薬には、膀胱の収縮を抑える効果があるため、尿をある程度まで溜めておくことができます。

しかし、残尿量が増えてしまう恐れがあるため、残尿量を検査しながらの処方になっていきます。

前立腺肥大症の手術内容とは

前立腺が大きくなりすぎてしまった場合には、薬の治療だけでは症状が改善されません。

その際に、前立腺を削り取る手術を行います。

代表的な手術は経尿道的前立腺切除術(TURP)」になります。

これは、尿道から内視鏡、メスを入れ、水を流しながら前立腺の中心部だけを削り取る手術です。

手術が始まってしまえば、約1時間程度で終わります。

手術後に起こりうる状況がいくつかみられます。

まず、前立腺を削りすぎてしまうと尿漏れの恐れがあります。

次に、内視鏡やカテーテルを挿入した際に、尿道が炎症を起こしてしまい、尿道が狭くなってしまう恐れがあります。

このことを尿道狭窄(にょうどうきょうさく)といい、TURP以外が原因で起こる可能性のある症状になります。

最後に、前立腺は精液の一部を作っている臓器になります。

感染予防のため、精菅を切断する手術も同時に行われることがあります。

そのため性生活のある方は、このようなことを理解した上での手術が必要になります。

これらの状態は、起こりうる可能性があるものであって、ほとんどの場合は問題なく手術が終わります。

手術後は、もっと早く受ければよかったという方が多く、症状の改善率がとてもよいものになっています。

経尿道的前立腺切除術(TUR-P)の危険性とは

先ほどは手術後に起こりうる問題につて話しましたが、今回は、手術中の危険性についてお話しさせていただきます。

前立腺を直接切り込んで削るための出血

経尿道的前立腺切除術は、前立腺を直接切り、削っているため、必ず出血が伴います。

肥大が小さければ小さいほど出血は少ないですが、大きくなると出血量も多くなります。

そのため、手術中に輸血を必要とすることがあります。

手術を受けるに当たり、事前に肥大の大きさを確認し、輸血が必要となっている場合であれば、事前に本人の血液を採取し、手術中に戻す、自己血輸血が行われます。

また、出血は手術後にも起こる可能性があり、当日〜20日前後は様子を見る必要があります。状況によっては再手術となる場合があります。

前立腺を十分に削り取ろうとし穴が開く可能性

経尿道的前立腺切除術は前立腺内部の腫瘍を削り取っているため、削りすぎてしまい穴が開いてしまう恐れがあります。

先ほどもお伝えした通り、手術中には出血が伴うため、常に水を流しながら幹部を見える状態にして削っています。

穴が開いてしまうと、流している水がお腹の中まで入り込んでしまうため、状況によっては手術を中止する必要が出てきます。

この場合、利尿薬を用いて体内の水分を尿として排出させたり、下腹部を切開し、体外へ出すことも考えられます。

ただ、このようなことが起こるのは数パーセントの確率になります。

前立腺肥大症の薬と治療薬は

前立腺肥大症はαブロッカーという薬の服用により治療を進めていきます。

また、過活動膀胱の症状も出ている場合、前立腺肥大症の治療薬であるαブロッカーと一緒に、過活動膀胱の治療薬、抗コリン薬を服用することになります。

主なαブロッカー

プラゾシン(ミニプレス)

前立腺のα1A,D受容体を遮断することで、尿道をゆるめ、排尿障害を改善する効果があります。

また、血管アドレナリンのα1B受容体を選択的に遮断することができるため、血管を拡張させる働きにより、血圧を下げる効果がある薬でもあります。

ウラピジル(エブランチル)

α1受容体遮断薬に分類されます。

前立腺のα1受容体を遮断することで、尿道をゆるめ、排尿障害を改善する効果があります。

また、血管アドレナリンのα1B受容体を選択的に遮断することができるため、血管を拡張させる働きにより、血圧を下げる効果がある薬でもあります。

ナフトピジル(アビショット、フリバス)

前立腺肥大症に効果のある薬で、前立腺や尿道平滑筋にあるα受容体を遮断し、尿道をゆるめ、排尿をスムーズにします。

選択的にα1Aを遮断するため、立ちくらみや血圧低下の副作用が少ないのが特徴です。

タムスロシン(ハルナールD)

前立腺や尿道平滑筋にあるα受容体を遮断し、尿道をゆるめ、排尿がスムーズになるため、前立腺肥大症にとても効果のある薬になります。

選択的にα1Aを遮断するため、立ちくらみや血圧低下の副作用が少ないのが特徴です。

もし、起立性低血圧をの方は、逆効果となるため服用を避けましょう。

シロドシン(ユリーフ)

前立腺や尿道平滑筋にあるα受容体を遮断し、尿道をゆるめ、排尿がスムーズになるため、前立腺肥大症にとても効果のある薬になります。

特に残尿感や排尿の症状改善につながる薬になっています。

主な抗コリン薬

オキシブチニン(ポラキス)

Ca拮抗作用により、平滑筋が緩むため、尿の通りがスムーズになる効果があります。

また、膀胱を収縮させる副交感神経を抑えることで過活動膀胱に効きます。

この薬は、過活動膀胱の治療薬として日本初のテープ剤になっています。

1日1回下腹部、または腰のあたりに貼付し使用します。

プロピベリン(バップフォー)

頻用や尿意切迫感などの治療に効果がある薬になります。

Ca拮抗作用により、平滑筋が緩むため、尿の通りをスムーズにします。

また、膀胱を収縮させる副交感神経を抑えることで膀胱の異常な活動を抑えることができます。

ソリフェナシン(ベシケア)

ムスカリン受容体をブロックし、膀胱の異常な活動や緊張を緩和させる働きをします。

その結果、膀胱の内容量が増え、頻尿状態を軽減させる効果があります。

過活動膀胱の他、尿意切迫感や、切迫性尿失禁、夜間頻尿などの症状改善を助けます。

トルテロジン(デトルシトール)

ムスカリン受容体をブロックし、膀胱の異常な活動や緊張を緩和させる働きをします。

臓器の中でも膀胱に対しての選択性が高い薬になります。

過活動膀胱の他、尿意切迫感や、切迫性尿失禁、夜間頻尿などの症状改善を助けます。

しかし、アセチルコリンが関わっている受容体は全身に存在しています。

そのため、無差別に抗コリン作用を示すと大きな副作用に繋がるため、注意が必要です。

イミダフェナシン(ステーブラ、ウリトス)

ムスカリン受容体をブロックし、アセチルコリンの膀胱への作用を阻害する効果があります。

膀胱の収縮を抑え、頻尿の症状を軽減させます。他の薬と比べ、副作用が少ない薬になります。

前立腺肥大症の症状まとめ

前立腺は男性にしかない臓器で年齢とともに肥大してきます。

前立腺肥大の原因は前立腺の内側の内腺と呼ばれる部分に、良性の腫瘍ができ、全体のサイズが大きくなるためです。

前立腺肥大症の症状は、肥大した前立腺が尿道を圧迫したり、締め付けることにより、尿道が狭くなり、排尿障害が起こります。

頻尿や残尿感、排尿痛など尿が出しにくい症状の他、膀胱内になる尿が1度に全て出し切れない状態が続くため、膀胱が異常な収縮活動をする過活動膀胱も併発する恐れがあります。

また、症状が進行してしまうと尿が全く出ない閉尿になる可能性もあるため注意が必要です。

前立腺肥大症の治療法はαブロッカーという薬の服用、過活動膀胱を併発してしまった場合には、抗コリン薬が処方されます。

前立腺が肥大し過ぎてしまている場合には、TURPという手術を行います。

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